自社ブランドを成功へ導くための工場とのつきあい方とは
2025/1/28

私たちは、自社ブランドを開発されるかたに向けた靴下の製造サービスを営んでおります。
私自身工場と一緒に仕事をするようになって19年になりました。
多くの経営者との出会いに恵まれました。
私の経験上「商人」と「職人」二種類のタイプの経営者がいると考えます。
職人タイプの工場とつきあう際の傾向と対策
職人タイプの経営者は、商売よりも自らが納得できる製品をつくれるかどうかに重点を置く傾向があります。
自らが納得するまでとことんつきつめるので、サンプルの修正回数についても比較的寛容です。
ただし職人としてのプライドが高いため、わからないことがあれば教えを乞う感覚でつきあう必要があります。
私たちはオーダーの多くを職人タイプの工場へ発注しています。
新規参入に耐えうる競争力に優れた靴下を開発するには、「何度もつくり込む忍耐力」や「細部へのこだわり」が欠かせないからです。
商人タイプの工場とつきあう際の傾向と対策
商人タイプの工場経営者はできる限り大きなオーダーを受注して利益を出すことに重点を置きます。
効率を重視するため、短期的な視点での回収を考える傾向があります。
例えば新商品の開発に取り組む際、サンプルの修正回数が増えると早めの方向転換を検討します。
修正回数がかさむほど費用がかかりますし、開発にかける時間が長くなる分回収も遅くなります。
私たちが商人タイプの工場とつきあう際、開発半ばでの頓挫を避けるため工場の力量80%程度で製造可能な製品のみを依頼します。
そうなると、どうしても価格重視の案件に偏って依頼するしかなくなってきます。
それでも職人タイプの工場と共に歩みたい
2021年私が長年靴下について教えを受けた恩人とも言える職人が経営する工場が閉鎖しました。
コロナの影響で一気にオーダーが減少し資金がショートしやもなく閉鎖することになりました。
社長は人と会うよりも深夜遅くまで一人で編機に向かい合うことを好む生粋の職人でした。
人に言われるのでなく、お金を儲けようと思うのではなく、靴下を作ることにのみ向き合ってきました。
経営者としては異色なアンバランスさが魅力がある靴下を生み出す原動力となっていました。
その証拠に社長のところで靴下の製造を依頼した多くのブランドが売り上げ伸ばしていきました。
せめてあと一年維持できていたら閉鎖は免れていたかもしれません。
自社ブランドを成功に導くための私たちの靴下づくりの考え方についてこちらでまとめております。
合同会社ブリングハピネス代表。
中国内モンゴルで中国語とモンゴル語を学んだのち、東京のぬいぐるみ雑貨メーカーで9年間生産管理の仕事をする。2014年に起業し、台湾靴下工場と一緒に「靴下ブランドを立ち上げたい」デザイナー、クリエイター、ブランドに向けた「伴走型でじっくり取り組む靴下製造サービス」を立ち上げる。台湾工場の強みは細かなデザインの再現とはき心地の良さを両立させる技術力。起業してからの7年間で、工場と二人三脚で数多くのブランドの靴下製造を手がける。バーチャルで靴下サンプル製作が可能な島精機製作所デザインシステムを使用。
この記事を書いた人

岩村 耕平