ベビー用、キッズ用のオリジナル靴下を製造する時、どんなことに気をつけたらいいですか?

「自分のブランドで可愛いベビー靴下を作りたい」「子供たちが安心して履ける高品質なキッズ靴下をOEMで制作したい」 そう考えたとき、大人用とは異なる「子供用ならではの注意点」に戸惑う方も多いのではないでしょうか。

ベビー・キッズ用の靴下は、単にサイズを小さくすれば良いというわけではありません。デリケートな肌への配慮や安全基準、そして成長に合わせた機能性が求められます。

今回は、靴下OEMの専門家であるブリングハピネスの視点から、ベビー・キッズ用オリジナル靴下を製造する際に必ず押さえておきたいポイントをお伝えします。

こんな方におすすめ

  • ベビー、子供用品の企画担当者さん
  • アパレルメーカーのデザイナーさん
  • 雑貨メーカーの企画担当者さん

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1. 最優先すべきは「肌触り」と「安全性」

乳幼児の肌は非常に薄くデリケートです。また、赤ちゃんは何でも口に入れてしまう可能性があるため、素材選びには細心の注意が必要です。

ホルムアルデヒド対策(遊離ホルムアルデヒド)

乳幼児用(生後24ヶ月以内)の繊維製品には、厳しい法的規制があります。製造工程においてホルムアルデヒドが移染しないよう、管理が徹底された工場で生産することが不可欠です。

素材の選定

吸汗性が高く、肌当たりの優しい天然コットンの表糸を使用するのが一般的です。また、肌に直接触れる内側の処理(糸の始末)も重要です。ブリングハピネスでは、熟練の技術により、不快感を与えない丁寧な仕上げを実現しています。
キッズ靴下を製作する場合の材質は、基本的にベースが天然素材で吸水性に富んだコットンになります。

ご要望によっては、オーガニックコットン、コーマ綿、竹繊維、ウールなど特殊素材の仕様も対応できます。

検針の徹底

小さな部品が混入しないよう、製造後の検針作業は必須です。国内での最終検品にこだわることで、高い検品精度を維持することができます。

2. 転倒を防ぐ「滑り止め(プリント)」の重要性

歩き始めの赤ちゃんや、元気に走り回るキッズにとって、フローリングでの転倒は大きなリスクです。

足裏のシリコンプリント

ベビー・キッズ用靴下では、足裏に滑り止めのラバープリントを施すのが一般的です。

  • デザイン性: ロゴや星型、肉球など、滑り止め自体をデザインの一部にすることも可能です。
  • 耐久性: 洗濯を繰り返しても剥がれにくい、高品質なプリント技術が求められます。

3. 成長に合わせた「サイズ設計」と「伸縮性」

子供の足は成長が早く、サイズ展開の検討も重要な戦略になります。

段階的なサイズ展開

一般的には以下のようなサイズ区切りが多く見られます。

  • ベビー:9〜12cm / 12〜15cm
  • キッズ:16〜18cm / 19〜21cm

※ブリングハピネスでは、ターゲットに合わせた最適なサイズ設計をアドバイスいたします。

こちらの記事もご覧ください。
>>オリジナル靴下を製造する時の、新生児・キッズ・メンズのサイズ選びの目安は?

脱げにくさと締め付けのバランス

「脱げにくいこと」は重要ですが、足首を締め付けすぎると血行を妨げたり、ゴム跡がついたりしてしまいます。伸縮性の高い裏糸(ゴム糸)を使い、優しくフィットする編み方が理想的です。


4. 繊細な足にストレスを与えない「シームレス加工(ハンドリンキング)」

「子供が靴下を履くのを嫌がる」という場合、実はつま先の縫い目が原因かもしれません。ブリングハピネスでは、つま先のゴロつきをなくすシームレス加工を選択いただけます。シームレス加工にはいくつか工法がありますが、当社では職人が手作業で靴下の編み目(ループ)を一つひとつ繋ぎ合わせていく、ハンドリンキングという縫製方法が可能です。

通常の縫製ではつま先の裏側に「縫い代」の出っ張りができてしまいますが、ハンドリンキング(または無縫製編立)なら、縫い目が完全にフラットになります。

縫い目が足の甲に当たらないため、感覚が敏感なお子様でも違和感なく、一日中快適に過ごせます。コストは少々割高になりますが、品質にこだわるブランド様には特におすすめのオプションです。

左から、ロッソ(機械縫製)、無縫製編立機、ハンドリンキング

アイディアが広がる「耳」の立体加工

ベビー靴下で人気の「耳付きデザイン」。
これは靴下の「かかとを作る原理」を応用して作られています。この特殊な立体加工には、いくつか知っておきたいポイントがあります。

かかとの応用でつくる「扇型」の突起

靴下のかかとを編む際の「引き返し編み」という技法を使い、生地に突起を作ります。

  • 形状の特徴: かかとの構造を応用するため、突起の形状は基本的に「扇型」となります。
  • サイズの調整: 扇の底辺の寸法を大きく変更することで、突起の長さを調整できます。小さなネズミの耳から、存在感のある大きな突起まで、アイディア次第で個性を出すことが可能です。

デザイン上の注意点

  • 柄入れの制限: この突起部分は特殊な編み方をするため、突起の中に細かなデザイン(柄やロゴ)を入れることはできません。
  • 機能的なメリット: デザインとしての可愛さはもちろんですが、この突起は靴下を履かせる際の「持ち手(取っ手)」としても重宝します。親御さんが履かせやすく、お子様が自分で履く練習にも役立つユニバーサルな設計です。

キッズソックス特有の「デザインの制約」と解決策

オリジナル靴下を制作する際、大人用と同じデザインをそのままキッズサイズに縮小することはできません。子供の足は幅が狭く小さいため、靴下という「キャンバス」自体の解像度が大人用より低くなるからです。

「ゲージ数(n)」による描画範囲の違い

靴下の横幅は「ゲージ(n=針数)」という単位で決まります。デジタルの画像でいう「ピクセル数」をイメージすると分かりやすくなります。

  • レディースサイズ(標準): 横 144n × 縦 200コース(pixel)画像左
  • キッズサイズ(標準): 横 120n × 縦 144コース(pixel)画像右

比較すると分かる通り、キッズサイズは描ける範囲が大幅に狭くなります。そのため、レディース用では綺麗に表現できたキャラクターも、キッズ用では簡略化(デフォルメ)しないと、形が崩れてしまうことがあるのです。

「履き心地」を左右する裏側の糸(ループ)

編み込みで柄を作る場合、柄と柄の間には靴下の裏側に糸が渡ります(ループ)。この糸が、デリケートな子供の足にとって重要なポイントになります。

  • 糸の引っ掛かり: 対象年齢が低いほど、履くときに指が糸に引っ掛かるリスクを避けるため、デザインを極力シンプルにすることが推奨されます。
  • 自動切断の限界: 通常、裏糸は履き心地を損なわないよう製造時に自動切断されるよう設定しますが、デザインが細かすぎると編み機の性能が追いつかず、綺麗にカットできない場合があります。

理想の靴下を作るための3つの工夫

デザインの再現性と安全性を両立させるために、ブリングハピネスでは以下の手法をご提案しています。

  1. デザインの徹底したシンプル化: 情報を絞り込み、太めのラインで構成する。
  2. 無地+ワンポイント刺繍の検討: 編み込みが難しい細かなロゴなどは、刺繍に切り替えることで高級感と安全性を両立できます。
  3. デメリット表示の活用: デザイン性を優先させる場合は、パッケージ等に「着用時の注意点」を明記し、ユーザーへ配慮を促します。

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新生児からメンズまでのサイズ目安

一般的な靴下のサイズの目安はこちらです。一般的なサイズ以外の特殊なサイズにも対応可能です。

サイズ区分足底の長さ対象年齢の目安
ベビー7-9cm生後0か月~6ヶ月くらい
ベビー9-14cm生後6か月~2歳半くらい
キッズ13-18cm3歳から6歳、年長さんくらいまで
ジュニア15-20cm4歳から8歳、小学校1~2年生
ハイジュニア19-22cm小学校3~6年生
レディス22-24cm小学校高学年〜一般的な女性サイズ
メンズ25-27cm一般的な男性サイズ

年齢別、靴下製造のポイント

新生児用(生後0歳~6ヵ月)

新生児用のベビーソックスを製作する場合は、靴下の横幅を狭くする必要があるため96n、108nなどローゲージのシリンダーを使用します。

NはNeedleの頭文字で、編機についているシリンダーの針数を表します。通常針数の単位が小さくなるほど、幅が狭い靴下を製造できます。

工場に新生児用としての用途を伝えることをお勧めします。

キッズサイズでよく使われている120Nで製作してしまうと、横幅が広くなるため赤ちゃんが足をばたばたをさせたときに靴下が脱げやすくなるので注意が必要です。

実際店頭で販売されている靴下もメーカーによってサイズがまちまちです。

ベビー(1歳~3歳)のソックス

赤ちゃんがつかまり立ちからおぼつかない足取りで歩きだす年齢になるので、滑り止めが必須です。

通常の白い滑り止めをはじめ、金型を製作することにより、星型やブランドネームなど、色々な形状の滑り止めを作成できます。滑り止めの色は通常透明か白になります。ロットとの相談にはなりますが色指定も可能です。

弊社の滑り止めは、赤ちゃんに有害といわれるPVCではなく、シリコンを使用しております。

13-18cm キッズサイズ

3歳から6歳(年長さん)くらいまでが対象になります。9-14cmと同じく120nで製造します。

3歳くらいになると、歩行がだいぶしっかりしてくるため、滑りどめをつけない場合が多いです。

滑り止めが必要な3歳くらいまでのお子様には、ベビーの9-14cmサイズをおすすめして、うまく住み分けをはかる形をおすすめします。

15-20cm ジュニアサイズ

幼稚園年少から小学校1-2年生が対象です。

同じ15-20cmでも、小さい方にウエイトを置くのであれば、キッズと同じ、120nで。大きい方にウエイトを置くのであれば、120nよりも一ランク幅広の144nを使います。

メーカーによって、サイズはまちまちですので、ターゲットを絞ったうえで、検証しサイズを決定するのがベストです。

19-22cm ハイジュニアサイズ

小学校3~6年生くらいが対象です。

それ以上のサイズは大人のレディースサイズと同じになりますが、ターゲットの年齢に合わせたデザインが求められます。

岩村 耕平 
合同会社ブリングハピネス代表
靴下マイスター

東京都練馬区生まれ。
中華圏と携わって34年目。中華圏でのものづくりの仕事をして24年目。
業務のコミュニケーションはすべて中国語で行う中国語の達人。

大手ぬいぐるみメーカーで通訳、貿易事務、生産管理を経験ののち、靴下OEM製造の魅力に取りつかれ独立。
2014年、合同会社ブリングハピネスを立ち上げる。

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