中華圏で製造するとき、旧正月前後に気をつけていること

2026年の中華圏の旧正月休暇は、

2月14日(土)〜2月22日(日) です。

中国や台湾など、中華圏で製造を行っていると、旧正月前後は一年で最も注意が必要な時期です。
普段と同じ感覚で進めてしまうと、思わぬトラブルにつながることもあります。

本記事では、中華圏で靴下を製造している私たちが、旧正月前後に特に意識しているポイントを紹介してまいります。

中国と台湾で異なる「お休み前後の稼働状況」

中国と台湾では、カレンダー上の旧正月休み期間はほぼ同じです。

ただし、製造業の現場では状況が大きく異なります。

台湾の場合

  • 国土が比較的狭い
  • 休みの数日前に大掃除を行う、休み明け数日で稼働率が戻る。

日本のお正月前後の状況と同じ感覚で考えても問題ありません。

中国の場合

  • 国土が広く、ワーカーの移動距離が長い
  • 休みの14日程度前から稼働が落ち始める。休み明け14日程度まで稼働率が戻りきらない。

中国では製造業のワーカーの多くが地方から出稼ぎにきています。国土が広いため稼働率が落ちる期間も長くなります。

旧正月のお休みが過ぎても元宵節(旧正月の元日から15日後)までは本格稼働しないと考えておいた方が安全です。

2026年の旧正月元旦は2月17日。元宵節は3月3日 にあたります。

旧正月前後で注意すべきこと

旧正月前は、工場の性格にもよりますが、全体的に作業が急ぎがちになる傾向があります。

「休みに入る前に貨物を出してしまいたい」

という心理が働きます。

本来は旧正月後でも間に合うものを、無理やり前倒しで出そうとするケースが起こります。

また、出稼ぎに来ているワーカーの多くは、旧正月は1年に1回の里帰りの唯一の機会になリマス、休みを前に気持ちが浮つきやすくなります。

さらにこの時期は、区切りの時期でもあるので、ワーカーの離職率が最も高くなるタイミングとも重なります。

離職前の仕事の質が落ちるケースがあります。

旧正月前のトラブルを回避するポイント

工場を焦らせないように必要最低限の製品のみ出荷する。

旧正月前後のトラブルを避けるためには、すべてを旧正月前に出そうとしないという判断が重要になります。

具体的には、

  • 優先順位が本当に高い商品に集中する
  • 旧正月前の出荷点数を最小限に抑える
  • 旧正月後に回せるものは、あらかじめ切り分けておく

といった整理が、結果的に品質と納期の安定につながります。

「どれを急がせ、どれを遅らせるか」の判断ができているかどうかで、旧正月前後のリスクは大きく変わります。

検品・検針は、普段以上に慎重に考える

旧正月前後は、1年の中でもトラブルが発生する可能性が最も高い時期になりますので、いつもは工場内で完結している検品や検品を

  • 第三者検品/検針をする
  • 検針だけでも日本で行う

といった対応を検討する価値があります。
「いつも通り」で進めないという意識が重要だと考えています。

旧正月前は「関係性」を整えるタイミングでもある

旧正月前は、中華圏の工場にとって一年の節目にあたります。

日本では感謝を伝えるタイミングとして年末が一般的ですが、中華圏の工場に対しては、旧正月前が最も自然なタイミングです。

旧正月に向けてムードが高まっていく時期に、

  • 日頃の感謝
  • 普段は言いにくいこと

を丁寧に伝えることで、工場との関係性が深まることもあります。