
2021年3月、長年お付き合いをしてきた台湾の靴下工場の一社が閉鎖しました。
靴下職人である社長から「靴下の知識」「品質の考えかた」 「ものづくりの心構え」「人生について」など 多くのことを教わってきました。
「靴下は美術品じゃない履くものだ」
靴下はあくまでも「履くもの」なので、「外観だけではなく」「履き心地」も重視しなければならない、 という思想を表した言葉です。
靴下を製造するとき、キャラクターなどデザイン性を重視するあまり、 「靴下が履くもの」であることを忘れてしまうことがあります。
靴下は試着ができないため、購入しないと履き心地がわかりません。 外観が美しければ、初めは売れるかもしれません。 しかしながら、靴下は「履くもの」なので、お客様は必ず足を通されます。
この考え方は、現在のブリングハピネスのものづくりの基礎になっています。
工場が閉鎖しても、失われなかったもの
旧台湾工場の閉鎖後、同工場にに勤めていた ベテランスタッフを弊社が引き継ぎました。
彼女は旧工場の社長が初めて雇用した社員で、 編機を操り製造現場で仕事をするところから 30年以上靴下に携わりました。
近年はサンプル作成から出荷まで、オーダー全体を管理し、工場各部署に細かい指示を出す生産管理を担当してきました。
私たちは2010年に旧工場と取引を開始して以来、15年間ひたすらやりとりをしてきたので お互いの性格や癖を理解し合っております。過去の事例やトラブルも含め、多くの経験を共通認識として共有しています。
工場は閉鎖しましたが、思想、人、経験は失われることなく、現在に引き継がれています。
日本と台湾が連携する製造体制
現在は、お客様との窓口を担う中国語が堪能な日本人スタッフと 靴下工場で30年間以上務めたベテラン台湾人スタッフが連携して製造を進めています。
日本人スタッフが、お客様の意図をくみ取り、ビジュアルでわかりやすい仕様書を作成。台湾人スタッフが技術的な視点から仕様書を確認し、疑問点や不足点を洗い出したうえで工場へ指示を出します。
仕様書は中国語で作成され、工場への指示内容は日本人スタッフにも共有されます。
これにより、指示内容がブラックボックス化することなく、細かなニュアンスまで正確に伝えることが可能になります。
私たちの強み
私たちの強みは、通訳や商社を介さず、日本人スタッフ自身が中国語で工場とやりとりできる点にあります。
さらに、 日本人と台湾人のスタッフが綿密な打ち合わせの上、 連携して工場とのコミュニケーションを行うため、 微妙なニュアンスでも確実に伝えることが可能です。
この体制は、一朝一夕で築けるものではありません。長年にわたる関係性と、積み重ねてきた経験があるからこそ成り立っています。
