
私たちは、工場を「選ぶ」のではなく、目的に応じて「組み合わせて設計する」ことで、靴下事業を安定して継続できる製造体制をつくってきました。
たとえ、靴下づくりの経験がゼロであっても、マーケティングや営業を通して、「どんな商品を、誰に届けたいか」が明確であれば、私たちと一緒に、靴下を事業として立ち上げることが可能です。
実際にこれまで、さまざまな業種の靴下ビジネスを立ち上げるお手伝いをしてきました。
本記事では、なぜそのような組み方が可能なのか。その原点となっている内部体制と製造工場との関係性について紹介して参ります。
日本語→中国語→技術フィルター|言葉の壁をなくす社内体制
製造トラブルの多くは、技術以前に「言葉と解釈のズレ」から生まれます。
私たちの製造体制の起点にあるのは、お客様の意図を正確に製造現場へ伝えるための、二人の役割分担です。
私(日本人)と、靴下製造にに30年以上携わってきた台湾人スタッフの二人です。
私たちは15年以上、靴下づくりを通して共に仕事をしてきました。多くの局面を経験してきたからこそ、お互いの思考を深く理解しています。
まず、私が日本語でお客様の意図を整理して、中国語に訳します。私自身、中国語を学びはじめて35年目になります。
ただし母国語は日本語です。中国語として文法的に正しくても、製造現場では意図が別の形で受け取られてしまうことがあります。
そこで、台湾人スタッフが言語面と技術面の両方から内容を確認します。
この段階で問題があれば、工場に送る前に修正します。
日本語 → 中国語 → 技術的フィルター
この工程を通すことで、微妙なニュアンスも含めて、より高い精度で伝えること可能になります。
バーチャルサンプルの製作|工場の負担を軽くする仕組み
私たちは、サンプルを製作する前に、必ずバーチャルサンプルを製作します。
この段階で、色数の無理がないか、柄の再現性、編み構造の成立性を事前に確認します。
問題があればお客様と仕様を調整してから工場に渡します。
必要があれば、この時点でお客様と再度やり取りを行い、仕様を調整します。
こうして、技術的な判断だけを工場に委ねられる状態をつくります。
これにより工場は、自社の強みを最大限に発揮することができます。
バーチャルサンプルの詳細はこちら
台湾A工場|修正前提で完成度を上げる工場
台湾A工場とは、付き合い始めて6年目になります。
この工場で生産するようになってから、大きく成長していったブランドは少なくありません。この工場は、修正を前提に完成度を高めていく案件で力を発揮します。
台湾A工場の特徴は、修正を前提とした進め方ができること。ドット絵設計に十分な時間をかけられる組織力。多色・細かな柄に対応できる設備。そして非合理に見える調整も受け入れるマインドがこの工場の特徴です。
色はA、形はB、といったように複数パターンのサンプルを作り、組み合わせながら、監修が厳しいキャラクター案件に取り組んだこともありました。
修正を重ねることで完成度を高める。この考え方を共有できることが、台湾A工場最大の強みです。
台湾B工場|方向性が固まった案件を形にする工場
台湾B工場は、設計の方向性がある程度固まった案件で力を発揮します。
規模は小さい工場ですが、使用している材料と靴下の質感・履き心地は台湾A工場と同等、場合によってはそれ以上です。
比較的納期が早く、柔軟な対応が可能な点も強みです。
一方で、組織規模が小さいため、一案件にかけられる時間には限界がある。という側面もあります。
そのため、修正を何度も重ねる前提の案件や、長期間にわたって設計を詰め続ける案件には向きません。
設計の方向性がある程度固まっており、スピードと品質のバランスを重視したい案件で力を発揮する工場です。
中国工場|価格帯を成立させるための工場
中国工場との付き合いは、3工場の中で最も長く、私の事業はこの社長と二人三脚で日本市場に向き合うところから始まりました。
この工場は、3足1000円ライン市場のキャラクター靴下に強みがあります。
ただし、中国生産には前提条件があります。
確認頻度を増やすこと、第三者検品・検針を入れること、属人性が高く人の入れ替わりリスクを前提に管理すること、これらの体制が不可欠です。
そのため私たちは、誰が見ても失敗しない仕様書を徹底的に作り込みます。
その結果として、中国生産では製品そのものよりも 管理コストの比率が高くなるという構造になります。
中国生産においても、私たちはできる限り台湾製品に近づける努力を行っています。糸の選定、編み構造の指定、仕様書の精度、検品体制など、できることはすべて行います。
それでも質感、履き心地、伸縮性は台湾生産とは別物になります。
これは、中国の技術が劣っているという意味ではありません。
中国生産は、工程の組み方、分業の前提、管理の考え方など、製造そのものの「構造」が台湾とは異なります。
そのため、一定以上の品質差を埋めることはできません。
中国生産と台湾生産の差は、技術の優劣ではなく、製造構造の違いによって生まれるものだと考えています。
工場を「使い分ける」のではなく「使いこなす」
私たちは、台湾A工場、台湾B工場、中国工場、それぞれの性質を理解したうえで、価格帯・市場・目的に応じて体制を組みます。
単一の工場に依存しないことで、市場の変化にも柔軟に対応できます。
私たちと組むことで、お客様は 靴下事業を成立させるための製造基盤を持つことができます。
靴下ブランドを長く育てるために|リピート率と安定供給
靴下は、消費者にとって「使って減るもの」「定期的に買い替えるもの」として認識されています。
バッグや布雑貨と違い、消耗品という性質を持つため、気に入ったブランドがあれば自然にリピートが生まれます。
売場の視点でも、靴下は回転率の高い商材です。
サイズ展開がシンプルで、柄替えや季節展開でSKUを増やしやすく、ブランドとして育てやすい商品です。
ただしリピートが生まれるのは、履いた人が「また履きたい」と思ったときだけです。
デザインに惹かれて買った靴下が、履き心地に問題があればリピートにはつながりません。
消耗品だからこそ、品質が長期的な売上を左右します。私たちは、その前提に立った製造体制を提供しています。
「お客様のマーケティングや営業を土台に、私たちが製造を支える。」
そのような組み方ができれば、靴下は十分に事業として成立すると考えています。
「自分たちのケースでは、どの体制が合うのか」その整理から一緒に行うことも可能です。
ご関心がありましたら、一度ご相談いただけましたら大変嬉しく思います。
岩村 耕平
合同会社ブリングハピネス代表
靴下マイスター
東京都練馬区生まれ。
中華圏と携わって34年目。中華圏でのものづくりの仕事をして24年目。
業務のコミュニケーションはすべて中国語で行う中国語の達人。
大手ぬいぐるみメーカーで通訳、貿易事務、生産管理を経験ののち、靴下OEM製造の魅力に取りつかれ独立。
2014年、合同会社ブリングハピネスを立ち上げる。

ブリングハピネスのコンセプトができるまで>>
