オリジナル靴下の作り方|デザインをどう再現する?編み込み・プリント・刺繍の違い

オリジナル靴下を作るとき、多くの方が最初に悩むのが「デザインを、どうやって靴下上に再現するのか?」という点です。

本記事では、オリジナル靴下の作り方を「デザイン再現」の視点から整理し、代表的な3つの製作方法と、それぞれの向き・不向きを解説します。

① 編み込み|靴下本来の製法でデザインを表現する

靴下を製造する編機を使って、編み地でデザインを表現する方法が「編み込み」になります。

編み込みの靴下は、Illustrator(AI)データを元にドット絵(ピクセル)データに変換して製作されます。

ファミコン時代のゲームキャラクターのような「ドット表現」をイメージすると分かりやすいかもしれません。

編み込みデザインの制約

上記はスニーカーソックスを製造するときに製作されたドット絵です。

長さ310x横幅200ピクセル(ドット)になります。

長さの数値は、靴下が長くなるほど大きくなります。

横幅は靴下のサイズやデザインに応じて、68/96/120/144/168/200の数値に変更することができます。(工場によっても異なります)

通常靴下の数値が小さくなるほど横幅が狭くなります。

使用可能な色数は、標準で7色程度。デザインによってデザインによって不可能な場合もありますが最大で10〜15色程度までになります。

編み込みのメリット

  • コットン素材を選択することができる。

コットンは肌ざわりが柔らかく、ポリエステル、アクリルなどの化学繊維よりも吸水性に富んだ天然繊維です。

  • プリントと比べて白地が透けにくい。

靴下の下糸にはポリウレタンと呼ばれるゴム繊維が使われています。

プリントでデザインを再現する際、白い靴下の表面にデザインを印刷します。着用して絵柄が横に伸びた状態になると、白い下糸がデザイン上に透けることがあります。

編み込みは文字通り編み込まれておりますので着用後もデザインを維持することが可能です。

編み込みのデメリット

  • 柄が細かいほど、裏側に伝うループが増える。

「XXキャラクターの靴下を裏返すと怖い」最近SNSなどでこのようなつぶやきを時々見かけます。

柄の裏側にはループ状の糸が伝います。柄が細かくなるほどループも増えます。

ループに指がひっかからないよう製造時にループを切断するように設定します。

ただしデザインが細かくなればなるほど糸が多く伝うため編機で切断しきれないことがあります。

  • 靴下がきつくなる。

ループが増えるのに伴い、靴下がきつくなります。

「ループを切断する」「靴下の伸縮性を上げる」

など改善の方法はありますが、デザイン時からデメリットを意識しながら製作を進める必要があります。

プリント|AIデーターをそのまま再現できる方法

編み込みと違い、AIデータをそのまま使えるため、色数や細かさの制限はほぼありません。大きく分けて

・転写プリント
・3D(360度)プリント

の2種類があります。無地の靴下に、転写シートをプレスしてデザインを再現する「転写プリント」と直接靴下へ印刷する3Dプリントの2種類の方法があります。

転写プリント靴下のデザイン表現方法とは

プリントソックスは、白い無地の靴下を「編み込み」の手法で製造し、完成した靴下に転写シートをプレスしてデザインを再現します。

編み込みの靴下は、「AI」という、イラストレーターの実寸データーを一旦ドット絵に置き換えてからの製作になりますが、プリントの場合は、データーを元に直接転写シートを作成します。

靴下を平置きにして、転写シートをプレスして制作するため、印刷面は片面のみになります。

色は、CMYKの4色の掛け合わせでの比率で色味を表現する4色分解での指定になります。

3Dプリント靴下のデザイン表現方法とは

3Dプリントは、別名360度プリントとも呼ばれます。白い無地の靴下を「編み込み」の手法で製造し、棒状の治具に靴下をセットします。治具を回転させて直接靴下にプリントを入れる手法です。

全面に印刷が可能です。

プリントで靴下を製作する際のメリット、デメリットとは

メリット

  • 色数や細かさの制限がない

入稿データーどおりに製作することが可能ですので、色数や細かさの制限がありません。グラーデーションや写真のようなデザインも再現が可能です。

デメリット

  • 材質がポリエステルに制限される。

インクとの相性の関係で、材質はポリエステルのみに限定されることが多いです。ポリエステル99%、ポリウレタン1%が組成比率になります。

ポリエステルは化学繊維で耐久性に優れていますが、コットンと比べて吸水性に劣ります。

  • 着用したときに下糸のポリウレタンが透けて見えやすい場合がある

ポリウレタンは、靴下の伸縮性を作る細いゴムで、下糸と呼ばれています。

下糸の色は基本「白」になります。

平置きの状態で、美しい仕上がりに見えても、着用したときに絵柄が伸びると、下糸の白が透けて見える場合があります。

淡色系の色味であれば、白も目立たないのですが、濃色系ですと目立ちます。

  • 価格やロットの問題がある

転写プリントも3Dプリントも編み込み靴下への後加工で制作されるためコストが高めです。また転写プリントの場合は、「転写シート」を製作する必要があり海外ですとロットが大きめになることが多いです。

プリント靴下の製作をお考えへの方におすすめの、ハイゲージの編み込み仕様とは?

「プリント靴下の製作を検討しているけど価格やロットのハードルが高くて迷っている」「デザインにこだわった高級感がある靴下を製作したい」

そんな方々におすすめなのが、ハイゲージ編み込み仕様での製作です。下記のような細かいデザイン表現も可能です。

③ 刺繍|小ロットで始めやすい現実的な方法

編み込みで製作された靴下に刺繍機を使って刺繍でデザインを再現する方法です。

刺繍靴下のデザイン表現方法とは

プリントと同様、「AI」という、イラストレーターの実寸データーで入稿する必要があります。

刺繍で靴下を製作する際のメリット、デメリットとは

メリット

  • 既製品の靴下に刺繍を入れることによって手軽にオリジナル商品の製作が可能

既製品靴下にオリジナル刺繍を入れるサービスを提供している業者もあります。刺繍を入れるだけですので、少量かつ短納期で、オリジナル靴下を製作することができます。

デメリット

  • サイズに制限がある

業者によって異なりますが、刺繍の平均的なサイズは3x3cm程度になります。刺繍が大きすぎると伸縮性が損なわれるので、注意が必要です。また刺繍をすると内側が硬くなりますので、範囲が大きすぎるとはき心地にも影響がでることがあります。

まとめ

ここまで、オリジナル靴下を製作するときのデザイン表現方法の種類とメリットデメリットについてご紹介してきましたが、参考になりましたでしょうか。

靴下を製作するときに、デザインはもちろん大切ですが、同時に着用することも念頭におく必要があります。

オリジナル靴下の製作方法でお悩みの方は、ぜひご相談ください。