
ブランドとして販売する靴下を製造する際の大事なポイントとしまして、「デザイン」や「機能性」と並んで「質感」があります。
「質感」とは、製品が醸し出す、オーラ―みたいなものだと考えています。デザインの魅力をより引き立たせる要素の一つです。
質感がよければ、全て決まるわけではありませんが、製品を売るための重要な部分であることは間違いなさそうです。
靴下の質感を高める素材
質感を高める要素の一つに、素材の選択があります。
靴下でよく使われる素材の一つにコットンがあります。良質なコットンは光沢が出ると言われています。また、編み込みでデザインをつくるときに、細いナイロン糸を使います。
弊社台湾工場では、コットンには良質なインド綿、ナイロンには台湾製ナイロンを使用しており、発色に優れています。
また、手触りの観点から見ると、編み目の密度が高く、重量感があります。
「スカスカしていない」と言えば良いのでしょうか、ぎっしりと目が詰まっている感覚があります。
見た目の質感は材料に左右されます。感覚的な部分の質感は工場の技術や靴下を編む機械によって違いが生まれます。
同じデザインでも別物に見える
異なる産地で製造した、同じデザインの製品を並べてみると、質感の違いがよくわかります。
デザインとしては、同じでも、靴下という製品として見ると、別の製品のように見えます。
台湾製ではない方の靴下も、十分に製品として成立していましたが、
「この同じデザインの靴下を、果たして同じ値段で販売してもいいのだろうか」
と感じてしまうくらい違ってみえました。
履くものとしての機能性
靴下は、履くものとしての機能性があって初めて成り立ちます。
履くという機能性を支えるのは、肌触りとフィット感です。 肌触りをよくしようと思えば、気持ちが良い素材を使う必要があります。
フィット感を高めるためには、編み機の性能やそれを使いこなす職人の技術が欠かせません。
私たちは、まずは機能性を担保し、その上でデザインで付加価値をつけるという考え方で仕事をしています。
短期の利益か、長期のブランド価値か
デザインを優先し、質感や機能性を落とせば、価格を下げることはできます。
靴下を袋へ封入してしまえば、質感は外からはわかりません。履き心地も実際に購入をして着用してみないとわからないものです。
ただし、靴下一足で考えると、その価格差はわずかなものです。しかし、そのわずかな違いが、靴下の製品として価値に大きな影響を与えます。
企業の目的は利益を上げることです。短期的に利益を多く得ることで、経営が上向くこともあるでしょう。
ただ、中長期で考えたときにどうでしょうか。
「デザインに惹かれて購入した靴下を実際に履いていただき、同じお客様にもう一度選んでいただく」
お客様と一緒に、靴下ブランドを成長させるための循環を作り上げること。
それが私たちの使命だと考えています。
私が製品の質感を意識するようになったのは、自ら靴下メーカーを立ち上げて、靴下を販売するようになってからです。その根底には、前職のファンシー雑貨メーカーで経験した、工場選びを巡るある出来事がきっかけでした。
工場を選ぶ理由|ファンシー雑貨メーカー時代に学んだ「売れる品質」
岩村 耕平
合同会社ブリングハピネス代表
靴下マイスター
東京都練馬区生まれ。
中華圏と携わって34年目。中華圏でのものづくりの仕事をして24年目。
業務のコミュニケーションはすべて中国語で行う中国語の達人。
大手ぬいぐるみメーカーで通訳、貿易事務、生産管理を経験ののち、靴下OEM製造の魅力に取りつかれ独立。
2014年、合同会社ブリングハピネスを立ち上げる。

ブリングハピネスのコンセプトができるまで>>
