私が靴下にのめり込むきっかけになったのは、ある台湾靴下工場との出会いでした。
その工場の社長は、1980年に靴下の編機を一台購入し、自ら製造を始めた職人です。
15年前に社長と出会って以来、靴下のことだけではなく、ものづくりの姿勢や、生き方についても多くのことを教わってきました。
残念ながら工場はなくなってしまいましたが、教わった思想は今も自分の中に根付いています。
モチベーションを上げたいなら品質を上げろ
お客様に商品を納品をして喜んでもらうほど、自信も高まり、どんどん案件を増やしたくなります。
もし納品するたびにクレームが発生したらどうでしょうか。仕事がいやになるのではないでしょうか。
だからこそ、ひとつひとつの案件を丁寧にこなすのが、社長のスタイルです。
ものづくりの仕事は、モノの良し悪しが全てです。
いくら価格が安く、お客様に至れり尽せりのサービスをしたとしても、肝心のモノが悪ければ全てが台無しになります。
モノを起点として信頼関係が成り立っているので、品質が悪ければ全てを失ってしまうのが、ものづくりの仕事です。
品質は自分の目で確かめろ
私は前職のぬいぐるみメーカーを退職後、中国工場の営業代行をしていた時期があります。
サンプルは工場から直接お客様へ。量産品も直接お客様の倉庫へ納品する流れでした。
トラブルが起きると、現場で状況を確認し解決にあたりました。
トラブルが起きてはじめて、自分の目で確認を行う構造で仕事をしていたので、根本的な解決ができませんでした。
心理的なプレッシャーもありました。中国工場の営業代行をしていたのは私一人でした。万が一トラブルが発生して、中国工場が取り合わなかった場合、その責任は私自身に降りかかってきます。
中国工場とは太い信頼関係を持ち10数年たった今でもつきあいがあるくらいですので、上記は私の杞憂に過ぎないのですが、当時は不安でなりませんでした。
責任の重さに反比例して、コストは中国の価格でした。営業成績が上がるたびに気持ちが落ち込んでいきました。
そんな状況を台湾工場の社長に話をしたところ。「品質は自分で確かめろ。確かめられないような仕事はするべきじゃない」
とアドバイスをいただきました。自分の目で品質を確認して、自分の手でリスクをヘッジすることは、お客様を守ること、自分を守ることに繋がります。
責任をもって品質を守る。責任に見合うだけの利益をとる。
その方向へ舵を切るために、ブリングハピネスを立ち上げることにしました。
靴下は美術品ではなく履くものだ
デザインに厳しいお客様の案件を無事に納品したとき、社長がぼろっと言いました。
「靴下は美術品じゃない履くものだ」
社長は覚えていないと思いますが、この言葉はいまでも、私の心に刻み込まれています。
靴下は、色数が多いほど、柄が細かいほど、はき心地に影響がでます。
デザインで付加価値をつける仕事をしていると、デザインばかりに目が行ってしまい、肝心の靴下が履くものであるということを忘れてしまうことがあります。
台湾靴下工場の職人社長が、仕事の合間にぽろっとこぼした数々の名言は、私の宝物です。
ものづくりへの考え方についてご相談がありましたら、無料相談をご利用くださいませ。
岩村 耕平
合同会社ブリングハピネス代表
靴下マイスター
東京都練馬区生まれ。
中華圏と携わって34年目。中華圏でのものづくりの仕事をして24年目。
業務のコミュニケーションはすべて中国語で行う中国語の達人。
大手ぬいぐるみメーカーで通訳、貿易事務、生産管理を経験ののち、靴下OEM製造の魅力に取りつかれ独立。
2014年、合同会社ブリングハピネスを立ち上げる。

ブリングハピネスのコンセプトができるまで>>
