靴下でなりたつ「小さな経済圏」を作りたい。中小企業同士の業務提携で成り立つ私たちの製造戦略とは?
2022/7/26
私たちの事業は、業務提携で成り立っています。
各社の強みを組み合わせることで、「工場」「仕様」など品質に関わる部分のコストを削ることなく、「高品質」かつ「適正価格」にて、サービスを提供できる体制を組んでおります。
スケール(数量)を増やし、工場と関係を強化する。
私たちの靴下は台湾で製造しております。
二社の数量を、製造工場一箇所に集約して発注を出しています。
工場にとってオーダーは、人体に流れる血流のようなものです。オーダーが流れなければ、人や設備が空いてしまい、ロスが出てしまいます。
工場との関係をより強固にするためには、「数量を持って工場にとって魅力的な取引先になる」必要があります。
営業努力をし発注数量を増やす努力を行うことで、工場に「本気」が伝わります。
一社で営業を行うより、二社で行ったほうが、スピードも加速します。
私たちは、お互いに異なる顧客ルートを保有しています。個々の受注をまとめて工場に発注することによって、工場における自社製品のシェアをあげることが可能になります。
輸入物流をまとめることで、物流費用を下げる。
2社のオーダーをまとめて、輸送することで、物流費用の削減に取り組んでおります。
人や設備をシェアする。
台湾にオフィスを設置する
弊社2021年の6月に台湾にオフィスを設置しました。
オフィス設置に伴い、30年間靴下製造に携わってきた、台湾人のベテランスタッフを雇用しました。
現地で直接工場への訪問が可能なスタッフとの連携で業務を行っています。
新型コロナウイルスの影響で、直接工場に行くことが難しくなりましたが、新たに現地スタッフが加わったことで,よりスムーズなコミュニケーションが可能になりました。
島精機製作所のデザインシステムを「シェア」する
2017年の夏、バーチャルで靴下のサンプル製作が可能なデザインシステムを、2社共同で導入しました。
バーチャルでサンプルを製作し、実物サンプル製作回数を削減することで、工場の手間とサンプル物流費を圧縮することができました。
システムの価格は、中小企業の若手サラリーマンの年収1年分ほどです。小さな私たちにとっては、躊躇してしまうような金額でしたが、2社で折半するすることで、導入を実現しました。
2021年の5月、業務量増加に伴い、弊社単独でシステムを導入しました。
現在は2台同時に稼働させることができる体制を組んでおります。
事業提携先の物流機能を使う
事業提携先の本社は、大手化粧品メーカーや百貨店の検品など医療部外品の流通加工業務を専門とする物流会社です。
大阪と奈良の県境に近い河内郡に位置しております。
単価の高い化粧品や百貨店のギフト取り扱っており、きめ細かい対応が得意です。
工場のラインを見ただけで、社長の細かい性格が伝わります。
作業依頼をすると、小さなことでも「これでもか」というくらい質問が飛んできます。
私自身も長年、海外の工場とやりとりをする生産管理の仕事をしてきました。
細かいというのは、面倒臭いようではありますが、やりとりをするなかでの、気づきが多い工場ほどよい仕事をします。
成長し続ける生態系のような、小さな「経済圏」をつくりたい
「履く人が喜ぶ靴下を作る」ことを共通理念とし、「ブランド」「工場」と三位一体となり、成長し続ける生態系のような、小さな「経済圏」をつくることが、私たちの目標です。
OEM事業者である私たちのゴールは、「ご要望のデザイン仕様に従って製造した靴下をお客様にお届けすること」です。
ブランドを営むお客様にとってのゴールは、「私たちが製造した靴下が売れること」です。
靴下が売れるためには、デザインも含めて、「靴下を実際に売り場で購入されて、履かれる方に満足頂く」必要があります。
- お客様の「ブランド」が成長することで、発注が増え「工場」と「台湾の産地」が潤う。
- 品質が上がり、靴下を着用されるお客様にささやかな幸せをお届けできるようになる。
- その結果売り上げがあがりさらに「ブランド」が成長する。
という、サイクルを作ることができればと考えております。
サービスメニュー
- 「靴下ブランドを立ち上げたい」ブランド、クリエイター、に向けて、「伴走型の靴下製造サービス」をご提供しております。
- オンライン、Email、対面での相談を承っております。
ブリングハピネスブリングハピネスhttps://www.bringhappiness.jp/656
- オリジナル靴下を製作したい方々に向けて、「製造工場を探したい」「どんな種類の靴下が製作できるか知りたい」など状況に合わせた記事を複数紹介しているページもありますので、よろしければご参照ください。
- 台湾製無地靴下の在庫を使うことで、靴下は100足/色~、100足の中で刺繍デザインは2種類までの対応ができるようになりました。
合同会社ブリングハピネス代表。
中国内モンゴルで中国語とモンゴル語を学んだのち、東京のぬいぐるみ雑貨メーカーで9年間生産管理の仕事をする。2014年に起業し、台湾靴下工場と一緒に「靴下ブランドを立ち上げたい」デザイナー、クリエイター、ブランドに向けた「伴走型でじっくり取り組む靴下製造サービス」を立ち上げる。台湾工場の強みは細かなデザインの再現とはき心地の良さを両立させる技術力。起業してからの7年間で、工場と二人三脚で数多くのブランドの靴下製造を手がける。バーチャルで靴下サンプル製作が可能な島精機製作所デザインシステムを使用。
この記事を書いた人
岩村 耕平